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エンコーダーって?超高精度で超高分解能のロータリーエンコーダを開発

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産業技術総合研究所とマグネスケールは2014年4月23日、超高精度で超高分解能のロータリーエンコーダを開発したそうです。



ロータリーエンコーダーって?


例として、みなさんが日々使用しているエレベータでエンコーダの役割を説明したいと思います。


まず、エレベータを利用する際に、△▽のボタンを押してエレベータを呼ぶと、しばらくしてエレベータが到着し扉が自動的に開いて、中に乗り込むことができます。

その後、エレベータ内部の階数表示ボタンと閉ボタンを押すと扉が閉まり、しばらく経つと目的階に到着することができます。


気づかれた方もいるかもしれませんが、エレベーターにもエンコーダーが使用されています。

何に使用されているかと言うと、エレベータを移動させるためのモーターや扉に使われています。

エレベータは、モーターが回転する力で上下に動き、もしモーターの回転方向が分かれば、エレベータが上がっているか、下がっているか把握することができます。

さらにモーターの回転数を検出することで、エレベータがどれだけの距離を移動したか?を把握することができます。


また、エンコーダーにはインクリメンタル式とアブソリュート式があります。


インクリメンタル方式

モーターが一定量回転するごとにパルスを出力し、1回転でいくつのパルスを出力するかを分解能と呼び、[パルス数/回転]という単位で表します。

価格の安いものは10~20パルス、高価なものは5000パルス程度まで出力するものがあります。

モーターが回転するたびにパルスが出るので、いくつ動いたか、何回転まわったかの情報は、パルスの数を数えることによってわかります。

また、回転に合わせてA相とB相2種類のパルスを出力し、ふたつのパルスはタイミング(位相)がずれて出力されるように作られており、時計まわりと反時計まわりでその出力タイミングを逆の関係にしています。

時計廻りで軸が回転している場合、先にA相のパルスが出力され、その途中でB相のパルスが出力されます。

逆に反時計廻りで回転している場合、先にB相のパルスが出力され、その途中でA相のパルスが出力されます。

つまり、これらの関係を用いて、モーターはどちら方向にどれだけ回転しているのか、といった情報を得ることができます。



アブソリュート方式

アブソリュート方式では、モーターの絶対的な位置を検出することが可能です。

軸の現在位置にあわせて、グレイコードと呼ばれる何ビットかの絶対的な2進データを出力します。
従って、機械的な位置合わせでカウントリセットするといったイニシャル処理は必要ありません。

分解能は、高価なものであれば2000[分割/回転]程度までとれるものもあります。

 

今回、産業技術総合研究所とマグネスケールが開発したロータリーエンコーダは、マグネスケールの高分解能ロータリーエンコーダに、産総研が開発したSelfA(自己校正機能付き角度検出器)の技術を応用したもので、これまでの市販品では達成できなかった360度を2の33乗(約86億)に分割した超高分解能、±0.03"(角度秒)の超高精度で角度を計測できるそうです。

このロータリーエンコーダを組み込んだ工作機械で、複雑なエンジンブレードなどの加工を行うと、形状精度が上がるだけでなく、加工面の表面粗さが改善され、研磨せずに鏡面加工を行える可能性があるんだとか。

また、タービン部品や風力発電の歯車のように大型化と精密加工の両立が必要となる部品の加工精度と生産性の向上が期待できるんだそうです。

なお、原理開発はすでに終了しいて、今後、マグネスケールではユーザーの利便性を考慮し、検出ヘッドと内挿回路をユニット化したトータルシステムの商品化を検討していき、さらなる精度改善にも取り組み、±0.03"の角度誤差検出能力を±0.01"まで向上させるんだそうです。







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